逆ハーレムゲームの中に落ちたようです、はinui原作、GOYAによる恋愛ファンタジー漫画です。
主人公は、誰かがプレイしている逆ハーレムゲームの中の悪女、皇女エルドリアに憑依してしまいました。
エルドリアはさまざまな手を尽くしますが、寝室に隠されているらしき皇女の秘密を見つけることは出来ないでいました。
ここからは、逆ハーレムゲームの中に落ちたようです、の第29話のネタバレになりますので、ご注意ください。
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目次
逆ハーレムゲームの中に落ちたようです【第29話】のネタバレ
「一年ぶりの脱出だな」と、荷物が入った鞄を肩に担ぎながらシガーが言います。
シガーは、平民出身でかつ最年少で、皇室騎士団の副団長にまで上り詰めた経歴の持ち主でした。
それが、皇女に目をつけられたせいで、皇女のハーレム騎士団に入れられてしまったのでした。
過去のシガー
「俺にあの頭のおかしな女の相手をしろと?」と、その話を聞いたシガーはキレました。
団長であり、師匠でもあるレオは、そんな話をシガーにしたくはありませんでした。
浮浪者の間で乞食のようだった状態から、あらゆる差別と軽蔑を受けながらも実力で這い上がってきたシガーにとって、受け入れられる話ではありませんでした。
「とりあえず目をつけられるような行動は控えろ。息を殺して耐えるんだ。できるだけあの方に言われた通りにな?」と、レオはせめてもの忠告をします。
「何があっても表面上は従順でいろ。反抗する者をわざとなぶる趣味をお持ちだそうだ。自分の体を守ることだけを考えるんだ。わかったな?ひとまず皇命に従え。それが生きる道だ」と、肩を強く掴みながらレオは言いますが、シガーは床を見つめるばかりです。
「そうやって耐えていれば俺が必ず、必ず助け出してやる」という言葉に、シガーはポロポロと涙をこぼします。
「団長、この国は狂ってるんですね」と口の端を笑うように歪め、「すまない・・、すまない、シガー・・」とレオは膝から崩れ落ちるように謝罪しかできないのでした。
現在のシガー
今、シガーはご機嫌で宮を歩いていました。
「団長が助け出してくれるって言ってたのに、結局自分で脱出したようなもんだな」と、鼻歌混じりにシガーは歩きます。
通り過ぎる侍従たちが皆、そんなシガーを目で追うため『皇女の巣窟か抜け出てきた奴がそんなに珍しいのか?』とシガーは考えます。
『まぁ、俺自身もまだ信じられねぇ気持ちだけどな』と、シガーはこの間の出来事を思い出します。
皇女が突然、ハーレム騎士団を解散すると言い出したのです。
おまけに、シガーが騎士団の副団長だったことも、覚えていないような様子でした。
『久しぶりに会ったせいか、一瞬別人かと思うほどだった』と、シガーは感じていました。
騎士団までたどり着くと、物珍しそうな目で見られているのがシガーにはわかりました。
皇女に連れて行かれて、戻って来れると思っている人はほとんど居なかったのでしょう。
『何があったのかは知らないけど、まともになった皇女のおかげで解放されたのは幸いだが。あの女がいつまたおかしなことを言い出すかわからない・・』と、シガーは警戒もしていました。
それでも、あのハーレム騎士団から解放されただけでも、喜ばしいことでした。
シガーが真っ直ぐ向かったのは、団長、レオの部屋でした。
「戻ってきましたよ、団長」と扉を開けて笑顔で言えば、「シ・・シガー!よく戻ってきた!」とレオはシガーを抱きしめます。
「団長が俺を助け出してくれるんじゃなかったんですか?」と嫌味を言えば、「・・すまん」とレオは暗い顔をします。
モジモジと、何かを言いにくそうにしているレオに、シガーは先に予想していたことを言います。
「・・戻ってきたっていっても、何もかもが元通りになるわけじゃないことくらい分かってますよ」とシガーは寂しそうに笑います。
皇女に囲われて落ちぶれた者を、自尊心と名誉を何よりも重んじる騎士団員たちが簡単に受け入れてくれるなんて期待していませんでした。
地方に左遷かな、とシガーは考えていました。
そもそも、平民出身で副団長のシガーは、他の団員にとってたった一つの汚点のような存在でした。
団長のレオがシガーを取り上げてくれてからも、周りの団員は目の色を変えて叩く隙をずっと狙っていたのです。
投げやりな口調のシガーに、「すぐに説得して戻れるようにしてやるさ」とレオは申し訳なさそうに言います。
「それで?どこなんですか?」と左遷先を聞くシガーに、「ここを去る必要はない」とレオは言います。
信じられない、といった様子のシガーに、レオは外宮警備隊への配置換えを伝えます。
「警備ぃ?塔と城周辺の見回りをするあの警備?」と、シガーは嫌そうにためいきをつくのでした。
エルドリアと少年奴隷
数日後のことでした。
エルドリアの部屋に、侍従の格好をした少年が3人、侍女のヘスに連れられて入ってきました。
エルドリアは彼らの様子を見て、やっと人間らしくなったと言います。
ヘスに「部屋を与えて宮人として教育を受けられるように準備してちょうだい」とエルドリア命令します。
怯えて土下座する3人には、立たせてもびくつくばかりです。
どうして僕たちを、という問いに、エルドリアは明確に答えられません。
ごめんなさい、といえば、彼らは少し驚いたような顔をするのでした。
「姫様」と、いつの間にか部屋にいた愛人のロビアが声をかけます。
「同情心で奴隷を買うことが愚かな行動であることは分かっていらっしゃいますよね?そもそも違法です」とロビアは問います。
「避難するつもり?私だってそれくらい知っているわよ」とやや睨みつけますが、「非難ではありません」とロビアは冷静です。
「悪びれもしないのね。とにかく・・事情があったのよ」とエルドリアは言葉を濁します。
麻薬取引の現場で勧められて、ベルロード出身と聞いただけで放って置けなかった、などと説明するわけにもいきません。
おまけに、侍女のデイジーから聞いた『皇女が成年にもならない少年たちだけを奴隷として買い集め、彼らは年を越す前に皆死んでしまう』という噂が気になっている、との説明もまた難しいものです。
さらに、皇女がベルロードへの侵略戦争に加担したことに罪悪感を感じていることを、ロビアはよく思っていないのです。
奴隷が違法になって10年足らずほどですが、皇室に検挙する意思がないため野放し状態です。
そんな状態なので、皇宮に奴隷を連れてくるのは簡単でした。
エルドリアはヘスに命じて少年たちを部屋から下がらせます。
「東部人ですね。ベルロード出身ですか?」と、立ち去る少年たちを見てロビアはピタリと当てます。
「・・あなた。超能力でもあるんじゃない?」と思わずエルドリアは言いますが、「超能力とは?」とロビアには通じません。
この世界には魔法はあっても超能力はないようでした。
「大変です!」と、そんな中に侍女のデイジーが飛び込んできました。
「姫様、宮人が・・!宮人が首を吊りました!!」とデイジーは告げるのでした。
第30話に続く>>
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逆ハーレムゲームの中に落ちたようです【第29話】の感想
シガーの過去はハーレム騎士団に入った経緯が明らかになりましたね。
引き抜かれた時は悲壮さがありましたが、今はだいぶ楽観的に見えます。
もう一つの噂に関連がある少年奴隷が出てきましたね。
デイジーが持ってきた首吊りの話もそれに関係するのでしょうか。
魔法はあるのに超能力、という言葉が通じないのも面白いです。
次の話も気になりますね。
まとめ
今回は、ピッコマで配信されている「逆ハーレムゲームの中に落ちたようです」の第29話のネタバレと感想をご紹介しました。
「逆ハーレムゲームの中に落ちたようです」は、現在のところピッコマでの独占配信です。
他の漫画配信サービスでは読めません。
今後人気が出てきたら電子書籍化されるかもしれません。
応援していきたいですね。