その悪女に気をつけてください、はSoda Ice原作、Berry脚色、Blue Canna作画のファンタジー漫画です。
交通事故にあった平凡な女子大学生の主人公は、恋愛小説「愛するアイツら」の悪女である公爵令嬢メリッサ・ポジェブラトに憑依してしまいます。
男主人公達の邪魔をするメリッサを見て、ヒロインのユーリは『今度こそこの呪いから解き放たれるのではないのか』と考えるのでした。
ここからは、その悪女に気をつけてください、の第36話のネタバレになりますので、ご注意ください。
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目次
その悪女に気をつけてください【第36話】のネタバレ
「ナイン」とメリッサが専属執事ナインに話しかければ、ナインは『はい、メリッサ様』と美しい手描き文字の書かれたメモを差し出します。
『おぉ、前もって書いてある』と驚きながら、メリッサはそのフォントをコピペしたような文字に魅入ります。
『舌のない生活に慣れすぎたのね』、とナインの境遇に同情し、『ユーリに薬を頼んで良かった』とメリッサは考えます。
ナインが牙と舌を失ってから、まだそれほど経っていないはずでした。
「今忙しい?」と聞けば、『いいえ、メリッサ様』とメモを出して首を振ります。
『最近は家事で忙しいのも全部把握済みだっての。まあ小言は後にして』と、真面目なナインを見てメリッサは考えます。
「なら、私にちょっとつきあって」と、ナインの手をメリッサは引っ張るのでした。
夜空と二人
ナインが連れて行かれたのは、満月が見えるテラスでした。
「ジャーン!家の中だと、ここが一番月と星が綺麗に見えるのよね」とメリッサは説明します。
ナインは満点の星空を魅入るように見上げ、その様子を見たメリッサは微笑みます。
「じつは少しカッコつけたくてここに来たの。普通に渡してもいいんだけど、最初の一声はやっぱり直接聞きたくてさ」と、メリッサは照れたように言います。
ナインは不思議そうにメリッサを見つめていました。
「綺麗な空に感動して、自然と声が出ればよりいいと思って」と、メリッサは空を見上げて、それからナインをみてニコッと笑います。
「はいこれ。舌と牙を戻す魔法薬よ。世界に一つしかないんだからね」と、ナインに渡したのはユーリに作ってもらった薬を渡しました。
受けとったナインは、目を見開いて驚きます。
どうして、と戸惑っているのがメリッサにはわかりました。
『薬の中身を疑おうともしないのね。いつも疑うことなく私を信じてくれて、嬉しいなぁ』と、メリッサは考えます。
「私はナインの味方だもん」とメリッサが言います。
『悪女は悪女でも、私は自分の味方を守り抜く悪女なの』と、メリッサは強く決めていました。
ナインの過去
狼人間のナインには、今まで味方という存在がいませんでした。
誰も彼を必要としなかったからです。
大人しくて強くもない、優しいだけの狼人間は誰からも歓迎されませんでした。
一族を裏切ったと告発したのは、男主人公の一人であるジャックです。
ナインは首長に、種族の恥と言われ、狼の牙と舌がもったいないと言われてしまいました。
牙と舌を抜かれた後、やっとのことで逃げ出したナインは、首都の路地裏にたどり着いて彷徨いました。
通りすがる人々に、「汚いのが転がってる」「どっか行け」と、罵声や唾を吐きかけられても傷つくことはありませんでした。
周りから嫌われることを受け入れていたからです。
『僕はここで死ぬんだろうな』と、死を覚悟しました。
誰かが愛してくれたり、受け入れてくれるという期待はとっくに捨てていました。
未だかつて、味方になってくれた人がいなかったからです。
そんな時に、通りかかったメリッサが浮浪者同然のナインを拾ったのでした。
ナインの目線
「私はナインの味方だもん」と、メリッサはそう言いました。
自分の味方だと言ってくれる人がいる、という事実に、ナインは目を輝かせます。
受け取った魔法薬を、ナインは強く握り締めました。
『こんなことがあっていいんだろうか。今までたくさん助けてもらったのに。なぜ彼女は僕に希望を与え続けてくれるのだろう』と、疑問に思いながら薬を飲みました。
魔法薬を飲み干すと、舌や牙の回復につれて激痛が身体を走ります。
しかしナインは『早く、もっと早く。こんな痛みどうってことない。ずっと呼びたかったあなたの名前を・・やっと呼べる』と、目をつぶって耐えるのでした。
牙と舌が治ってすぐ、「メリッサ様」と、ナインは第一声を発し、そっと目を開けます。
「うん、ナイン」と、メリッサは笑顔で返事をしました。
「メリッサ様!」と頬を紅潮させてナインは再び言います。
その微笑みの美しさに、メリッサは思わず見惚れます。
「メリッサ様。メリッサ様」とナインが続け、「うんうん」とメリッサは返します。
「メリッサさま〜!」とまだ続けるナインに、「・・それしか言えないの?」と呆れたようにメリッサは言います。
「ハハッ」と笑うナインに、『副作用とか?』とメリッサは本気で心配するのでした。
ナインの本気
「メリッサ様、よろしければお手を。お礼の挨拶をさせてください」と、ナインが跪いて見上げます。
『え?この子ったらどうしたのよ』と戸惑いつつ、「そ・・そう」とメリッサは手を差し出します。
「僕の舌と牙は戻ったのではなく、メリッサ様が新たに与えてくださったものです」とナインは熱っぽく言います。
「ですから僕のすべてを、たったひとりの主であるあなたに捧げます。・・どうかずっとそばで、あなたの味方でいさせてください」と、ナインは手の甲に口付けます。
「いただいたものをすべて返すまでは」とナインが続け、『これってあれだよね?紳士がレディーの手の甲にキスする・・』とメリッサは考えて照れ臭くなります。
「お世辞でもありがたいわ。よっぽど嬉しかったのね。でもすべて捧げるって・・ナインは優しすぎ」と言われて、ナインは動揺します。
「それに私が勝手にしたことなのに、何を返すのよ。薬を作ったのは私じゃなくてユーリさんだし」と、照れ臭さに明後日の方向を向きながらメリッサは言います。
ユーリさん、と聞いてナインは再び動揺します。
「ただ仕事に専念しなさい。もうユーリさんに唸っちゃダメよ。クビになることもないんだし。捧げるなんて大層なこと言わず楽に働けばいいの」と、メリッサはナインの頭を撫でます。
「そ・・そうじゃなくて・・」と反論しようとしますが、メリッサとユーリの親密な様子を考えてナインは口籠もります。
メリッサがユーリを守ると決めて、男主人公の一人のピーコックに喧嘩を売った時から、ナインはメリッサがユーリが好きなんだと勘違いしていました。
自分の全てを捧げると言う言葉を本気に受け取ってもらえず、かといって何と言えばいいかわからず、ナインは言葉を続けられません。
「ん?なんて?」とメリッサが聞き返しますが、「・・いいえ」とナインはそれ以上何も言いません。
「座ってないでほら立って!脚が冷えちゃう」とメリッサは言いますが、「牙を取り戻した狼人間は最強なので、ここで一週間座ってても全然平気なくらいです」とナインは拗ねています。
「話せるからって反抗までして。いい声しているから大目に見てあげる」とメリッサが笑い、ナインはそれを熱っぽい瞳で見上げるのでした。
第37話に続く>>
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その悪女に気を付けてください【第36話】の感想
ナインの過去はなかなか寂しいものだったんですね。
ナインがメリッサを好いて忠実な理由がよくわかりました。
夜空の描写やナインの表情が綺麗で、素敵な場面ばかりですね。
ナインはメリッサとユーリの仲を勘違いしているし、メリッサもナインの決意を勘違いしています。
お互いが勘違いで、気持ちがすれ違っていて焦ったいですね。
次の話も楽しみです。
まとめ
今回は、ピッコマで配信されている「その悪女に気をつけてください」の第36話のネタバレと感想をご紹介しました。
「その悪女に気をつけてください」は、現在のところピッコマでの独占配信です。
他の漫画配信サービスでは読めません。
今後人気が出てきたら電子書籍化されるかもしれません。
応援していきたいですね。