その悪女に気をつけてください、はSoda Ice原作、Berry脚色、Blue Canna作画のファンタジー漫画です。
交通事故にあった平凡な女子大学生の主人公は、恋愛小説「愛するアイツら」の悪女である公爵令嬢メリッサ・ポジェブラトに憑依してしまいます。
ジャックを簡単に倒してしまったミゼンは、双子の弟ナインをどう虐げようか考えながら笑うのでした。
ここからは、その悪女に気をつけてください、の第51話のネタバレになりますので、ご注意ください。
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その悪女に気をつけてください【第51話】のネタバレ
「フォトン」というのは、全ての狼人間に与えられる苗字でした。
ナインは小さな頃から「お前にフォトンはもったいない」と言われていました。
その意味はナインそのものを否定する言葉であり、当時11歳だったナインもその意味を理解していました。
呪術も苦手で身体能力も低いナインでしたが、呪術の理屈はわかっていました。
いつも本を抱えて勉強するナインは「弱い」という一点で、一族の誰からもバカにされていました。
双子の兄のミゼンが11歳の時点でフォトン家の誰よりも呪術を使いこなせていたこともあり、「お前の才能は全部双子の兄に持っていかれたようだな」と首長に言われていました。
「どのみち後継者はミゼンなのだから、お前はいらない。二度と私の前に現れるな」と首長に言われ、ナインは自分は種族から消されたのだと気づいたのです。
それから、ナインに食事を与えるものも、気にかけるものもいませんでした。
ナインは自力で森で食料を探し、息を潜めて生きてきました。
いないと同然の存在と無視されましたが、いないと思われるからこそ殺されずに暮らしていました。
侮辱されるより辛い無関心の中で、一人泣き濡れながら孤独と共にナインは成長していきました。
今のナイン
メリッサとユーリが再会を喜ぶ横で、ナインは部屋の片隅で膝を抱えて座り込む幼い自分の姿を思い出していました。
この部屋こそが、ナインが幼少期に身を隠すために使っていた部屋でもありました。
ナインは、メリッサが魔法の檻を破壊しようと剣で叩く音で我に返ります。
メリッサが剣で叩いてもユーリを閉じ込める魔法の檻はびくともせず、ユーリは「この箱には魔法を遮る呪術がかけられてます。魔法のかかった剣は弾き返されます」と説明します。
「ナイン、呪術を解く方法知ってる?」とメリッサは尋ね、「呪術によって違いますが・・少々お待ちを」とナインは答えます。
『もう大丈夫。僕はちゃんとここに存在している。この不安な気持ちは過去の片鱗にすぎない』と、メリッサに頼られることでナインは自分の存在を確かに感じるのでした。
「簡単ですね。呪術を使った者が命を落とせばいい」とナインは解説し、「え?」とメリッサは戸惑います。
「これはミゼンがかけた呪術ですから、ミゼンが死ねばいいんです」とナインはにっこり笑い、『僕にはあなたさえいればいいから』とナインは考えます。
メリッサは「命に関わること以外に何かない?」と尋ねますが、「呪術は魔法と違って呪いに近いんです。円満に解決する方法はありません」とナインは笑顔で続けます。
ナインは、ミゼンに呪術の練習台にされ、懇願しても助けてもらえなかった過去を思い出していました。
「あぁ、呪術と呪術師は力で繋がっていて、死なずとも呪術師が弱れば呪術もまたもろくなります。その隙を狙えば強い魔法で抑圧できるかと」と、ナインは淡々と説明しますが、内心では『死んだら楽になるかな』とまで苦しんだ過去が疼いていました。
ナインの説明を聞いたメリッサは、今のメンバーにミゼンを殺せるだけの力の持ち主がいないことから、対策を考えあぐねます。
そしてふと、平静な顔をしているナインの手が細かく震えていることに気づいてしまいました。
メリッサとナイン
「ナイン!」と、メリッサはその震えるナインの両手を掴み、「大丈夫。私を信じて。守ってあげるって言ったじゃない。やっつけられなきゃ箱ごと持っていけばいいんだし。そんなに心配しないで」と勇気づけます。
『この人に出会えてよかった。あの時死ななくて、本当によかった・・』と、ナインはメリッサのその力強い励ましにまた感動するのでした。
「お嬢様・・僕本当に・・!」と感極まったナインがメリッサに告白しようとしますが、閉じ込められたままのユーリがナインを睨みつけながら箱を叩いて邪魔します。
「そうだった。ナインごめん。急がないと。だから後で話そう!」とメリッサはユーリの現状を思い出し、ヨナに箱をもちあげるためのヘルプを呼びかけます。
ナインは、睨みつけるユーリの目線を恥ずかしそうに顔を背けて避けていました。
メリッサが皆でユーリを閉じ込められた箱ごと持ち上げようとしていると、辺りに血の匂いが漂ってきました。
扉が開いて姿を表したのは、ミゼンでした。
ミゼンの登場
ナインにそっくりな顔で、「その次は?持ち上げようとでも?」と言うミゼンは、まるでナインと見間違えるような執事姿をしていました。
強烈な血の匂いと、靴に付着している血痕からジャックがやられたことをメリッサは察します。
「噂をすれば・・こんなに早く来るとはね」とメリッサが言えば、「早いって?アハハ。そりゃあ狼だからな。また会えて嬉しいよ、メリッサ・ポジェブラト。まさか挨拶もなしに帰ろうとしたのか?寂しいなぁ」とミゼンは笑います。
「黙ってくれない?」とメリッサは剣を構えますが、笑っているミゼンは服装のせいでますますナインにしか見えず、戸惑います。
「そういえば、お前もいたんだっけ。ナイン・フォトン。死なずによく来たもんだ。この裏切り者。助けに来いとが言ったが本当に来るとはな。罪悪感はないのか?まぁ・・罪悪感を持っていればとっくに死んでるか」と、ミゼンはナインを見下したように責め立てます。
メリッサは『ふたりはまるでドッペルゲンガー。相手の存在を消したいという邪悪な思いが伝わる』と、その言葉の節々に悪意を感じるのでした。
第52話に続く>>
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その悪女に気を付けてください【第51話】の感想
ナインの境遇はなかなか悲惨ですね。
ナインがメリッサに救いを感じているのがよくわかります。
ミゼンは本当にナインのことが嫌いなようですが、逆に執着のようにも感じますね。
次の話も楽しみです。
まとめ
今回は、ピッコマで配信されている「その悪女に気をつけてください」の第51話のネタバレと感想をご紹介しました。
「その悪女に気をつけてください」は、現在のところピッコマでの独占配信です。
他の漫画配信サービスでは読めません。
今後人気が出てきたら電子書籍化されるかもしれません。
応援していきたいですね。