全ては勘違いだった、はG-ANNE原作、MIM作画の恋愛漫画です。
前世で読んだ小説の悪女ドルーア・バローズに生まれ変わっていることに気付いた主人公は、処刑を避けるために動き出します。
ここからは、全ては勘違いだった、の第16話のネタバレになりますので、ご注意ください。
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全ては勘違いだった【第16話】のネタバレ
時刻は夜になっていました。
エドガー公爵邸の中で使用人たちは黙々と働いていますが、皆が一様に瞳に光がなく、誰も何も話しません。
『数百人が住んでいるけど、温もりなどないこの邸宅。彼らをそうさせてしまったのは僕だが、僕が魔法を使う前の彼らは・・』と、そんな様子を椅子に座って眺めながらノクターン考えます。
『僕に無関心で尊重することも知らず、何を言ってもあざ笑うだけだった。以前僕をあざ笑っていた彼らはそうはできなくなったけど』と、ノクターンは魔法を使う前の使用人たちの見下した態度を思い出します。
『僕はなぜ過去に埋もれているんだろう』と、ノクターンが取り出したのは机にしまってあったカフスボタンです。
それは幼いドルーアがくれた誕生日プレゼントでした。
「私にはアーロンは大切な存在なの。だからあなたとは距離を置くしかないの」と、ドルーアはノクターンに言っていました。
「バローズ」と呟きながらノクターンはカフスボタンを大切そうに持ち上げます。
ふとその手に血がついていることに気づいて、「・・バローズ」と驚いた様子でノクターンは呟き、立ち上がります。
「バローズ・・、バローズ」と繰り返して、椅子に再び座ったノクターンは天井を見上げます。
「バローズ・・、ドルーア」と、ノクターンは目を瞑ったまま、一度だけドルーアと呼ぶのでした。
ノクターンの過去
幼年時代のことをノクターンは思い出します。
あの日はノクターンがドルーアを突き放そうとした日でした。
ドルーアからのプレゼントを湖に投げ捨て、「拾ってくれない?」とドルーアに言った日です。
ドルーアはノクターンの予想を裏切って本当に湖からカフスボタンを拾ってくると、「私も手が滑っちゃって、ごめん」と再びカフスを湖に投げ込んだのです。
いつも笑っていたバローズが実は、やられたらやり返す性格だと知った日でもありました。
『ドルーア・バローズは湖から這い上がって、もう二度と来ないような顔をして邸宅を去った』とノクターンは回想します。
自分からドルーアの魔法が解けるように衝撃を与えたのに、ノクターンはドルーアの行動に胸が痛みました。
「バローズ」という名前にかけた催眠が、解けないようにと祈るようになった日でもありました。
その後ノクターンは偶然出くわしたシェリル・ボルナインに、好感を抱くよう催眠をかけました。
『ボルナインも僕の気を引こうとしてたから、悔しくはないだろう』と、ノクターンは催眠をかけるのに躊躇いはありませんでした。
精神魔法は名前を呼ぶことから始まります。
呼び方が変われば魔法が解ける可能性があるため、対象の呼び方を一貫して維持し、会う場所と時間帯も特定した方が効果的です。
バローズと呼び続け、邸宅でしか会わなかったのもそのためでした。
数日をシェリルと過ごしたノクターンでしたが、楽しくありませんでした。
『「バローズ」じゃないから』と、ノクターンはその理由を理解してしまいました。
シェリルを家に帰らせたある日、湖を覗いた時にドルーアが落としたカフスを見つけます。
ノクターンは湖に潜ってそれを拾い上げ、大切に机にしまうのでした。
ノクターンの兄弟
ノクターンには兄が二人いました。
兄たちよりはるかに優秀なノクターンは、その能力の差から地位を段々と確固たるものにしていきました。
その頃から、ノクターンの周りで頻繁に事故が起こるようになりました。
馬が急に暴れたり、シャンデリアがすぐ傍に落ちたりしました。
地位を脅かされる状況に焦った兄たちが原因だと考えられ、他人の敵意にすぐに気づくことができるノクターンはなんとか危機を乗り越えて助かってきました。
けれどだんだんと、魔法なしでは難しくなっていきました。
黒魔法がバレないように神経をとがらせていたそんな頃、ドルーアが邸宅に遊びに来ました。
面子をとても大事にしている誰かの攻撃は来客中は消えるため、ドルーアが来るとノクターンの緊張もほぐれるのでした。
お茶の事件
そんなある日、ドルーアは最上級の茶葉を持って来ました。
美味しいお茶をノクターンと飲みたいと言うドルーアは、正確に時間を測ってお茶を入れました。
「ダージリンロメル産の最上級茶葉よ。あなたの好みに合わせたの」とドルーアは笑って、何度も失敗をして入れたお茶を意気揚々と差し出すドルーアの姿に、ノクターンも思わず微笑みます。
「香りもいい。腕が上がったね」とノクターンが誉めれば、「でしょう!?」とドルーアも自信満々です。
ノクターンがお茶のカップを持ち上げると、傍に立っていた使用人がとても緊張していることに気がつきます。
ベロ・リフォードというその使用人は、ノクターンの母親のパトシア・エドガーの腹心の部下でした。
ノクターンは手にしているティーカップは初めて見るものであり、銀製でもなく、解毒魔法も刻まれていないものでした。
「初めて見るティーカップだな、ベロ」とノクターンが言えば、「はい。東部から仕入れたカップです」とベロは答えます。
『何でもないふりしやがって。来客中は敵意が消えるのを感じてたから油断しすぎた。せっかくバローズが入れてくれたお茶をあげなきゃいけないなんて。よりによってなぜ今・・』と、ノクターンは苦悩します。
お茶を飲まないノクターンをドルーアは不思議そうな顔をして見ており、「もし差し支えなければこのお茶を僕の使用人にあげたいんだけどいいかな?」とノクターンは言います。
「ええ??」とドルーアは戸惑い、「わ・・私は結構です!せっかく令嬢が淹れてくださったのに・・」とベロは慌てます。
「ベロは僕がとても大事にしている使用人だから、ベロが飲めば僕が飲んだのと同じだ。ベロ、令嬢の前で僕に恥をかかせるつもりか?飲んで」とノクターンは強く言いました。
『お前がカップに毒を塗ったんだからお前が飲め』とノクターンは念じます。
「い・・いえ、これは令嬢が」とベロは冷や汗を浮かべ、不安と恐怖の感情が混ざり始めるのノクターンは感じます。
「僕の誠意を無視するのか?」とノクターンはカップを押し付け、「あ・・熱くて・・」とベロはもじもじとします。
「飲み干してよ。主人に恥をかかせるな」とノクターンは言い、ベロはチラリとドルーアを見ます。
『はあ?バローズに助けを求めてるのか?バカだな、バローズは今何が起きてるのか全然知らないんだよ。ただ僕がいつも通り自分勝手だと思ってるだろう。もし知ったとしても、主人を毒殺しようとする使用人の肩を持ったりはしないだろう』とノクターンは考えます。
『そしてバローズは知る由もない。僕の母親、パトシア・エドガー公爵が使用人を使って僕を毒殺しようとしていることを』と、ノクターンは冷めた目でお茶を飲むベロを見つめるのでした。
第17話に続く>>
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全ては勘違いだった【第16話】の感想
ノクターンが屋敷全てに魔法をかける前の状態は、酷い環境だったのですね。
ドルーアが癒しであったこと、ノクターンがそれに無自覚だったことがわかります。
家族に狙われていることをドルーアに言えなかったことがすれ違いの始まりだったのですね。
次の話も楽しみです。
まとめ
今回は、ピッコマで配信されている「全ては勘違いだった」の第16話のネタバレと感想をご紹介しました。
「全ては勘違いだった」は、現在のところピッコマでの独占配信です。
他の漫画配信サービスでは読めません。
今後人気が出てきたら電子書籍化されるかもしれません。
応援していきたいですね。