その悪女に気をつけてください、はSoda Ice原作、Berry脚色、Blue Canna作画のファンタジー漫画です。
交通事故にあった平凡な女子大学生の主人公は、恋愛小説「愛するアイツら」の悪女である公爵令嬢メリッサ・ポジェブラトに憑依してしまいます。
メリッサの殺人未遂の現場を押さえられたピーコックは逮捕されてしまいます。
ここからは、その悪女に気をつけてください、の第72話のネタバレになりますので、ご注意ください。
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その悪女に気をつけてください【第72話】のネタバレ
ここは日本人の作家が作った、中途半端なファンタジーの世界です。
ゆえにこの世界には、刑法と別に民法があるのでした。
「ポジェブラド家の令嬢を殺害しようとした罪は、とっても重いのよピーコック」と、メリッサは腕を縛られて座り込むピーコックを見下ろします。
「そうね・・貿易商『クジャク』を全部売ったところで償いきれるかしら」というメリッサの言葉に、ピーコックは顔色を悪くします。
『つまり、こいつを牢屋送りにしたうえに、賠償金まで受け取れるという意味である!』と、メリッサはこの世界の法律に感謝します。
『残すは、後片付けのみ』とメリッサが傭兵たちが連行されていくのを眺めていると、呆然と立ち尽くすユーリに気づきます。
「ユーリさん、大丈夫ですか?」とメリッサは声をかけ、「あっ、はい。やっと肩の荷が下りた気がして、ぼーっとしてしちゃいました」とユーリは答えます。
「・・・本当に助かりました。ユーリさんが作ってくれた解毒剤のおかげでうまくいきました」とメリッサは言って、ユーリは嬉しくなります。
『こうしている今も、得体のしれない何かが私に囁いてくるけど・・』とユーリはその言葉を無視していました。
その声は、「今からでも男主人公のもとへ行け、ユーリ」とユーリに囁き続けます。
『もう関係ない』とユーリは決めていました。
その声に従っている限り彼女は鳥籠に閉じ込められて鳥であり、そこから解き放ってくれたのがメリッサなのです。
ユーリが聞くのはメリッサの言葉だけでした。
「私、強くなります!」とユーリは宣言して、『もうすでに最強なのに!?』とユーリの運命との葛藤を知らないメリッサは純粋に驚きます。
「ありがとうございます、メリッサ様」とお礼を伝えるユーリは晴々とした笑顔であり、メリッサも思わず微笑みます。
「感謝されるようなことはしてませんよ。あっ、そうだ。ジェイクの奴、つきまとったりしてませんか?」とメリッサが思い出して問えば、「まったくですよ。もう冷めたみたいです」とユーリが答えてメリッサは安堵するのでした。
冬の到来
外では雪が降りだし、「・・・雪だ」とそれに気づいてメリッサはつぶやきます。
「あ、本当だ。薪を焚べますね」とナインが火の支度を始め、メリッサは火に照らされて輝くナインの横顔に見惚れます。
『改めて本当にカッコいいと思う。一見お利口なワンコ系男子だけど、こうしてみると綺麗って感じだし。髪と目の色が特徴的だから華やかな感じもする。私ってこういうのがタイプだったんだ・・』と、メリッサはポーッとしていました。
視線に気づいたナインが「メリッサ様?」と不思議そうに声をかけ、バレたメリッサは焦ります。
慌てて顔を逸らしたメリッサを見て、ナインはさらに不思議そうな顔をするのでした。
『ふぅ・・お顔鑑賞はこれくらいにして集中しないと』とメリッサは机に座り直します。
紙に【「愛するアイツら」クライマックス
魔物の侵略】と書きながら、『・・小説のクライマックス。それなりに準備してきたけどそれでも心配・・』とメリッサはこれからのことを考えます。
魔物の侵略は事実上、戦争と変わりない場面です。
ハッピーエンドの前に困難に立ち向かう男主人公らの活躍を見せようとした作者がねじ込んだものになります。
『伏線はあの狩り大会だけだったよね。大魔術師が封印したのどうのって。なんともわかりにくい伏線だよ』とメリッサは難しい顔をします。
150年前に封印されていなくなっていた魔物が再びやってくるわけです。
この場面自体が男主人公らの活躍を見せるためのものなので、小説通りに進めば難なくクリアされるはずのものでした。
『今は事情が違う。もう小説の内容とはだいぶかけ離れてしまった』とメリッサは男主人公たちの現状を思い返します。
そもそもイアンが魔物と戦う時に使うべき宝剣はメリッサが持っています。
『今になって返すのも変だし』と、剣をイアンに渡すシーンを想像してメリッサは難しさを感じます。
未だに愛銃モニカの墓参りをしており、喪失のダメージから回復していないジェイクは、今の様子では役に立ちそうにありません。
『強いて言えばジャックが一番成長したけど。肝心な覚醒がまだできてない』と、メリッサは手紙を敬語で書けるとドヤ顔をしていたジャックを思い出します。
『まだマシなのは、ピーコックから戦争資金を巻き上げられるところかな』と、イアンにバツ、ジェイクに斜線、ジャックに三角、ピーコックに四角をメリッサは書き込みます。
とりあえずの現状を把握し、メリッサはペンを置いて天井を仰いでため息をつきました。
『あまりにも多くのことが変わった。でも、もし過去に戻ったとしても私は同じように行動したはず。悪い男たちにすがりながら生きる人生に、ハッピーエンドなんてないから』と、メリッサは今までの自分の決断と行動に自信を持っていました。
「メリッサ様、お疲れのようなので甘い飲み物をご用意しました」と、そんなメリッサを上から覗き込むようにしてナインが現れました。
そのナインの嬉しそうな顔を見て、ユーリの晴々とした笑顔もメリッサは思い出します。
『後悔なんかしない』とメリッサは決意し、「さすがナイン。よし、ナイン!出撃よ!」とメリッサは笑います。
『みんなの笑顔をみたらなおさら後悔できない。物語が変わった責任は私がとる!』と、冬の夜にメリッサは誓うのでした。
ユーリの電話相手
雪降る夜に、ユーリは光る水晶で誰かと会話をしていました。
「それで、結局ヘイニーは追い出されたの?」とユーリが問いかけ、「その通りです。回し者を公爵家に置くことはできませんからね」と水晶は答えます。
「ふーん。それでそれで?」とユーリが先を促し、「・・市内で一番大きい飲食店への推薦状を書いてあげてました」と水晶は答えます。
声の主は、姉妹たちを連れて涙を流してメリッサに感謝するヘイニーの姿を思い出します。
「アハハ!やっぱり優しいなぁ・・・」とユーリはつぶやいて、祈るように手を合わせます。
「ユーリ!悪女に気を取られすぎだ。周りに男が誰もいないじゃないか!お前はそっちの心配をしろ!」と、ユーリの周りではまたあの運命の声がして、「え〜?聞こえませ〜ん」とユーリはそっぽを向きます。
「聞こえないなら切りますよ」と水晶が言えば、「あっ、違う違う、あなたに言ったんじゃないの!ヨナ」とユーリは謝罪します。
水晶で話している相手は、メリッサの侍女のヨナでした。
「また何かあれば連絡するから!」とユーリが気さくに言えば、「結構です」とヨナはバッサリ切り捨てます。
「結構って・・回し者になった気がするとか?ただお互いに近況報告をしてるだけじゃない」とユーリが文句を言えば、「面倒だからです。話が長引くようでしたらお金を」とヨナは要求します。
「ほんとお金の話しかしないね。神殿に行けばお金の心配なんてする必要ないのに」とユーリが言えば、「どうして私があんなところに」とヨナは嫌な顔をします。
「だってヨナは・・」とユーリが言いかけたところで、「ヨナ!どこなの!?」とメリッサの声が聞こえてきました。
「お嬢様が呼んでます。切りますね。次回からの電話は有料です」とヨナは言って、「えぇ!?」とユーリが驚いている間に水晶は光を失い、声が途切れました。
「だってヨナは・・・神に愛されている唯一の人だから・・・」と、眠くなってきたユーリは水晶に顔を近づけるように呟きます。
そんなユーリの頭上にはまた、透ける白い誰かが浮いてそれを見ているのでした。
第73話に続く>>
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その悪女に気を付けてください【第72話】の感想
ユーリはメリッサに心から救われているのですね。
小説の内容が大きくずれましたが、メリッサはクライマックスをどう切り抜けるのでしょうか。
ヨナにはまだ隠された設定があるようですね。
次の話も楽しみです。
まとめ
今回は、ピッコマで配信されている「その悪女に気をつけてください」の第72話のネタバレと感想をご紹介しました。
「その悪女に気をつけてください」は、現在のところピッコマでの独占配信です。
他の漫画配信サービスでは読めません。
今後人気が出てきたら電子書籍化されるかもしれません。
応援していきたいですね。