全ては勘違いだった、はG-ANNE原作、MIM作画の恋愛漫画です。
前世で読んだ小説の悪女ドルーア・バローズに生まれ変わっていることに気付いた主人公は、処刑を避けるために動き出します。
ここからは、全ては勘違いだった、の第話のネタバレになりますので、ご注意ください。
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目次
全ては勘違いだった【第29話】のネタバレ
帝国東部の公爵領はファウストという名前でした。
帝国で最も豊かなこの地は建国当時からエドガー家のものでした。
その上に建てられた公爵城も長い年月が経っており、多くの主人の使われた城なら当然のことで、公爵城にはいくつもの秘密の部屋がありました。
「ブラーマンがやられたですって?」とパトシアは驚いた声をあげて、「気づくのが遅かったです。申し訳ありません。パトシア様」と執事は答えます。
「予想していたことよ。逆に今まで耐えられたのが凄いわ。テロップス・アンダンテはまだ行方がわからないの?」とパトシアは問いかけます。
テロップスは、ドルーアの姉アロイの婚約者であった男でした。
「はい。伯爵邸を出た後跡形もなく消えました」と執事は答えて、「じゃあやっぱりあの子が握ってるわね。何かしら探り出すために。罠だということも知らずにね。それを見つけ出しただけで計画を見抜いたと思った瞬間、人は愚かになるものよ」と、パトシアは嬉しそうにワインを掲げます。
アロイとテロップスの婚約には、なんらかのパトシアの関与があったようです。
「それから?」とパトシアが次を促すと、「仰られた準備は済んでおり、首都に移動する準備もできました。公子様達の洗脳さえ解いたらすぐに・・」と執事は応じます。
「プレリュードとダンチャのこと?今解いてあげる必要はないわ。連れて行ったって邪魔になるだけだし。そのままにしておいて」とパトシアは指示を出し、「・・畏まりました」と執事は応じます。
『ノクターン・・黒魔法がバレた時はあんなに怯えてたのに。すぐに急変して邸宅の皆の精神を支配した。私も自分の黒魔法使いに助けられなかったら、洗脳から永遠に逃れられなかっただろう。問題は私以外の皆は洗脳されている状態だから、反撃できなかったってこと』と、パトシアは現状を考えます。
『仕方なく私も洗脳されてるふりをしなくていけなかった。ノクターンが私と一家の皆をファウストに送っても、どうすることもできなかった。武力ではノクターンで勝てない。それでもっと確実な方法を見つけた。そう・・例えば・・』と、パトシアはドルーアの顔を思い出します。
『あの子が一番大切にしてるもの・・ドルーア・バローズを人質にするとか』と、パトシアは企みます。
「ダーズからの伝言はなかった?」とパトシアが聞けば、「特にありませんでした。いつものようにもうすぐ太陽が沈むと言われました」と執事は答えます。
『太陽だなんて無力な操り人形にはもったいないわ。では、皇帝陛下の無事崩御とエドガーの栄光のために乾杯・・!』と、パトシアは一人で杯を掲げます。
皇帝の体調不良にも、パトシアは関与しているようでした。
ドルーアとシェリル
ドルーアはシェリルのお茶会に参加していました。
「まさかお茶会に本当に来るとは思いませんでしたわ。バローズ侯爵令嬢。私が舞踏会場で倒れたことをからかいに来たんですか?」とシェリルは皮肉たっぷりに言って、「性格は相変わらずですねボルナイン令嬢」とドルーアは答えます。
『洗脳のことが心配で来たのに・・!』とイラっとするドルーアですが、「私がノクターンと仲がいいからまだこんな風に冷たくするんですか?なんでこんなにひねくれてるの?」と詰め寄ります。
「フンッ!私がなぜそれに答えなきゃいけないの?その必要があるかしら?」とシェリルは冷たく返しますが、「『友達もいないしちょっと優しくしてあげたら私が言うことなら何でも聞くと思うよ!』って言ってたから」と、ドルーアは幼い頃の話を引っ張り出します。
シェリルは小さいことからノクターンが気になっていたはずなのです。
「い・・いつの話をしてるのよ・・!それはただ・・小さい頃の話でしょ。そういう時ってあるでしょう。不穏なことを得意げに言ったり・・本当にそうする気はなかったけど・・」と、シェリルは恥ずかしさからかゴニョゴニョと言い訳をします。
「ある日お母様と一緒に公爵邸に行って閣下にお会いして、その頃からなぜかあの方が好きになったんです」と、シェリルはそう言います。
ドルーアは、「正確に言うと僕を愛するよう催眠をかけた」というノクターンの言葉を思い出します。
シェリル・ボルナインの愛は魔法によって作られたものでした。
『魔法で人の心まで支配することができる』と考えると、ドルーアは心拍数が上がるのを感じます。
「そうです、好きでした。でも今は違うんです。いや・・今はどんな気持ちは全部消えて逆に・・」と言いかけて、シェリルは不安げな顔をします。
『あ・・怯えたような顔。ノクターンが植え付けた恐怖と不安・・どんなものか分かる。そして最近までそんなノクターンを友達だと思ってたことが妙な罪悪感を引き起こす』と、ドルーアは感じます。
「ごめんなさい」とドルーアがお思わず言えば、「えっ?何がですか?」とシェリルは驚いた顔をします。
「問い詰めて気持ちを聞き出そうとしたことです・・。それから、実は仲直りしたかったんです」とドルーアは言って、持ってきたクッキー缶を差し出しました。
「私達の仲が気まずかったのはある人のせいでしょう?だからといって友達になってほしいとかではないから。負担に思わないで」とドルーアが言えば、「ロボルトクッキーね。毎月12月に直接行って飽きるほど食べるのに・・。いただいておきますけど!」とシェリルはツンとしながら受け取ります。
記憶の齟齬
「あの・・ロボルトに行ったのって12月ですか?」とドルーアが不思議に思うと、「はい。アルペイ伯爵夫人の誕生日パーティーに。バローズ令嬢も12月のあのパーティー以降エドガー閣下と親しくなったんでしょう?」とシェリルは答えます。
「1月じゃなくて?」とドルーアが聞き返せば、「何言ってるの?私が閣下のことを話したのは12月ですよ」とシェリルは言います。
『私の記憶だとノクターンと初めて言葉を交わしたパーティーは12月。ボルナインの陰口を聞いたパーティーは1月だわ。なのにボルナインは12月に悪口を言ったって?確かノクターンの陰口を聞いて腹が立って自分も同じことを思ったことに罪悪感を感じたのに。じゃあ、私はあの日たった数時間でノクターンを庇うほど仲良くなったってことじゃない!』と、ドルーアは驚きます。
けれどドルーアはまだ自分の記憶の方に確信を持っていました。
『違う。ボルナインがノクターンについて話すのを聞いたのは1月よ。ボルナインが何か勘違いしてるのよ、きっと。私はメモリアの糸かせまで飲んだし、私の記憶は確かよ!』と、ドルーアは考え直します。
「それじゃ私はお茶会の主催者としてテーブルを回ります」とシェリルはテーブルを離れ、『とにかくボルナインは大丈夫そうね。これ以上ノクターンに近づいたりしないよね』とドルーアは見送ります。
「ボルナイン侯爵令嬢と何を話してたんですか?」とそんなドルーアに話しかけてきたのはロジックス・エルフォードでした。
ドルーアとロジックス
「エルフォード令息・・もうシェリル嬢と呼ばないんですね?」とドルーアが言えば、「話をそらさないでください」とロジックスは言います。
『性格が合うからボルナインと一緒にいると思ってたけど、単なる友情じゃなかったの?』とドルーアは考えて、「あなた好きなんでしょう?ボルナイン侯爵令嬢・・」と話しかけます。
「!?」とビクッとしたロジックスは赤くなり、「が、用意した紅茶が。なんでそんなに驚くんですか?」とドルーアは話を続けます。
「バローズ侯爵令嬢!」とロジックスは呼びかけますが、「へぇ!なのにノクターンのことで妬いてるんだ。ボルナイン侯爵令嬢を手伝うだなんてカモなんだか聖者なんだか。では、失礼・・」とドルーアのはニヤニヤします。
「そっ・・、そんなんじゃありません!」とロジックは叫ぶのでした。
アロイの新しい婚約者
ある日、ドルーアは姉のアロイと婚約者について話をしていました。
「アロイ、テロップス・アンダンテは火あぶりにするの?」とドルーアが問えば、そうしたいけど。法律では婚約破棄までが限界よ。それから私の新しい婚約者も見つけたの。エルフォード伯爵家の次男、ロジックス・エルフォード」とアロイは説明します。
『ロ・・ロジックス・エルフォード・・!?』とドルーアは驚いて、真っ赤な顔をしていたロジックスの顔を思い出します。
「彼も私の好みではないけど、テロップスよりはマシかな」とアロイは言って、「本気なの!?私・・彼と家族になるの?エルフォード伯爵令息は他に好きな人がいるのよ。他に好きな人がいる男と結婚するつもり?」とドルーアは問い詰めます。
「向こうが私を断らなければそんなのは関係ないわ。結婚後は問題になるでしょうけど」とアロイはあっさりと言って、「で・・でも、アロイ・・!」とドルーアは食い下がります。
「心配しないで。本当に結婚することになったら私がしっかり教育するから」と、アロイは自信満々に言うのでした。
その頃、エドガー公爵家に入ったアーロンは、アリスのことを考えながら奥へと進んでいきます。
第30話に続く>>
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全ては勘違いだった【第29話】の感想
パトシアはかなり悪どいことまで手を出していそうで恐ろしいですね。
ドルーアとシェリルとの記憶の齟齬は何なのでしょうか。
アロイが次に選んだのがロジックスだったとは思いませんでした。
次の話も楽しみです。
まとめ
今回は、ピッコマで配信されている「全ては勘違いだった」の第29話のネタバレと感想をご紹介しました。
「全ては勘違いだった」は、現在のところピッコマでの独占配信です。
他の漫画配信サービスでは読めません。
今後人気が出てきたら電子書籍化されるかもしれません。
応援していきたいですね。